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あらすじ:世界は存在しない。
大学生の橘亨は、ある一室で目を覚ます。
そこは自分の部屋ではない、鍵の掛かった廃れた部屋だった。
首には今まで着けたことのない、そして外れないアクセサリー。
ベッド横にはメーカー不明の黒い不気味なスマートフォン。
亨はスマートフォンを起動させると見たことのないOSといくつものアプリに戸惑う。
「これは、タロットカードの・・・【戦車】?」
壁紙には亨の言葉通り、タロットカードの【戦車】の画像が液晶画面に映っていた。
外部との連絡を試みるが通話機能は搭載されていなかった。
何か外部と連絡する手段はないかと亨はさらに操作していく。
「戦車の能力は他のカードの能力を向上させる」という文章が目に入る。
何のことか理解できないまま、亨は操作を続けていく。
するとルールという不可解な項目を見つけ、読み始めていく。
詳細に記載された、いくつもの【基本ルール】と【禁止ルール】の項目。
そして、【KEYルール】
理解のできないまま、情報だけが頭の中に入り、ルール項目が記載された文章も終わりに近づきクリア条件という項目が目に入る。
<【戦車】のクリア条件>
・【女帝】の所有者を殺し、端末を破壊すること。
・【世界】の所有者の端末を破壊すること。
上記のどちらか1つを達成することでクリアとする。
なお、前者は順序の逆転は不可とする。
亨は殺すという言葉にこれ以上ない不快感を覚え、スマートフォンを床に投げる。
そして、扉の鍵は外れ、ゆっくりとドアは開いていった。
始まりを告げる合図は、既に鳴っていた・・・。
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