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僕はママに手を引かれ、ママが働いている軍需工場の脇の道を歩いていた。
「ママお腹すいた」
「帰ったら直ぐにご飯にしようね」
「うん」
手を引かれながら空を見上げると、赤い丸がついた飛行機が十数機飛んでいるのが見える。
「ママ、飛行機が飛んでる」
「え!?何処?」
「あそこ」
「大変! 逃げなくちゃ」
ママが僕を抱きかかえ側溝に身を伏せようとしたとき、大きな爆発音が聞こえ僕の身体は空高く放り上げられた。
気が付くと僕は地面に倒れていて、僕のお腹から長い蛇のような物が出ている。
痛い! と思う間も無く、僕の意識は無くなって、死んだ。
私は森の縁を目指して少しずつ、少しずつ這って移動していた、味方に助けを求める為に。
後ろから敵の声が聞こえる。
「男は殺せ! ガキだろうがなんだろうが男は皆殺しにしろ!
女は犯せ! 俺達の種を植え付け俺達の子供を産ませろ!
歳なんて関係ない! 子供を産むことが出来る女は犯せ!
出来ない奴? フン、そんなのは男と同じだ、殺せ!
赤ん坊だろうが容赦するな!
此奴らは敵だ!
あ! あそこにいる奴生きているぞ! 殺せ!」
見つかった。
身体を起こし森に向けて走ったが、背中の数カ所に劇痛が走り倒れ、死んだ。
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