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「マダムは結婚してるんでしょ?」
春雄は訊いてきた。
珈琲を飲みながら、マルボロのミディアムの煙草を燻らしている。
「ええ。そうね。でも、大晦日も年明けも気付かないなんておかしいわよね。私、放っとかれてるのね。旦那や子供達に」
「まあ、そういう考え方もあるけど、みんなマダムに甘えて、安心して自由に過ごしてるんじゃないかな。淋しいの?」
「と言うか、最近、ちょっとショックな出来事があって、寝込んでいたの」
「何?どんな出来事?」
「え?あの。それは、お話するのも恥ずかしい内容なの」
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