別れと出会い

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一方、私自身も仕事にはすっかり慣れ、 伝票処理や請求書の発行など、事務的な処理のほとんどを任されるようになっていた。 杉本モータースの看板娘としてあいさつ回りにも度々出掛けることもあった。 幼い頃には不安と心配で押しつぶされそうだった毎日が、 この頃には期待と共に目覚め、安堵ともに眠る日々となっていた。 そんな毎日に、不安や心配なんてものを忘れそうになっていると、 そのことが神様の気に障(サワ)ったのか まるでそれを思い出させるかのように ある日突然、 平穏な日常に暗雲が広がり始めたのだ。
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