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すると、ご主人と奥さんのため息が同時に聞こえた。
私はそのため息の深さに、自分の存在価値を見たような気がした。
なんで、こんな子に声を掛けてしまったのかと後悔する奥さん。
なんで、こんな子が世の中にいるんだろうかと嘆(ナゲ)くご主人。
そう思った。
彼らのため息が私の中では笑いに変わる。
何をべらべらと話していたんだろうと、可笑しくなる。
最後に「ごちそうさま」を言って、席を立とうとした時だった。
「部屋を用意してやるから、妹と一緒に越して来なさい。卒業後には安い給料で良ければ面倒をみてやる。その代り、残りの学校生活をまじめにやること」
腕組みをしたご主人が言った。
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