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私は高校を卒業後、学校側が進学率を上げるのに躍起にやっている中、それに相反するように極少数派の就職の道を進んだ。
特に理由があったわけじゃない。
勉強する気もお金もなかった私には選択肢なんてはじめからなかった。
だからと言って、就職活動に熱心だったわけでもなく、
私が就職できたのは、運よく重なった偶然のおかげだった。
私が就職したのは小さな町工場(マチコウバ)。
個人で経営する自動車修理場だった。
ご主人が社長を務める完全な家族経営。
奥さんの他に従業員と言えば、社長の息子と甥っ子がいるだけの小さな工場だった。
工場は高速道路のインターチェンジ付近にあり、
100メートルも行かない距離にラブホテルが建っていた。
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