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妹の菜々美との関係が少しずつ変化したのもこの頃からだった。
口数のそれほど多くなかった私たちは
いつもお互いに同情し合い
慰め合ったきた。
共通の話題と言えば母への不満。
それだけで私たちは繋がっていた。
けれど、カラダが軽くなって…
呼吸の楽になった私たちの口は
呼吸すること以外にもごく自然に開いていった。
私たちの会話は話題と共に日に日に増えた。
生意気な後輩の悪口や、何かと話題を振りまく担任の話や、テストの出来具合。
菜々美と二人で学校の話をしていると、自分たちが女子高生だということを思い出した。
特に私は菜々美が学校のことを笑って話す度に密かに安堵さえしていた。
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