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「こんなに暑いとすぐに溶けちまう」
主人は独り言のように言うと、すっかり溶けてしまった氷菓子をカップに口をつけてそのまま喉に流し込んだ。
すると、奥さんがご主人に目をやりながら私に麦茶と溶けていない氷菓子を出してくれた。
「早く食べないとあの人みたいになるわよ」
手を付けずにぼんやりとする私に奥さんは再びご主人に視線を投げて笑った。
「……いただきます」
私は呟く程度に言うと、カップの蓋を開けた。
カップの中身はまるで真夏の空のようにソーダ味の氷の水色が鮮やかで、その真ん中に白いバニラアイスが納まっていた。
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