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工場の機械による生産というのは、全くの手作業よりも実に不安定だ。
機械が故障すれば一切の生産は止まってしまう。
その日、私は十分に自分の生産台数のノルマをクリアできる状態にあったにも関わらず、
前工程の材料を供給する段階での機械トラブルによって、残業となっていた。
別に残業は珍しくない。
大幅な増産の場合や新製品が生産開始となる場合は残業も増加する。
それに私は残業が嫌いではなかった。
残業代は問題なく加算されるし、一人暮らしなので時間はあったから。
この日、私が生産を終えたのは定時を三時間過ぎた頃だった。
金曜の夜だったこともあり、時間のことは気にしていなかったけれど、立ち作業なのでやはり疲れは滲んでいた。
自分の作業台を掃除して、翌週のために部品などの素材を補充して仕事は終わりだ。
私は必要な部品を調達するために素材置き場に向かった。
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