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私たちは玄関で息も絶え絶えになりながら
もつれるようにしてベッドへ向かった。
キツク結ばれた彼のネクタイにヤキモキするくらい
彼が欲しくてたまらなかった。
彼がネクタイを外す間に、
私は彼のシャツのボタンを全部外してしまっていた。
身体の輪郭をなぞる彼の手のひらの感触に、
何度も悲鳴をあげそうになった。
身体の表面では数えきれないほどの細胞が沸騰しそうなほどに熱くなる。
「ガクちゃん……」
私は細い腕にありったけの力を込めた。
自分が抱きしめているはずなのに、胸の奥が潰れるほど苦しくなった。
「カコ……」
彼が私の名前を呼ぶと、瞼には一段と熱い熱が滲んだ。
「ガクちゃん……」
「ガクちゃん……」
私は震える唇で何度も彼を呼んだ。
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