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「何か知ってるのか?」
数秒間口を閉ざしていた凛子は何かを決意したかのように顔を上げた。
そして、リビングのドアへ視線を向けて何かを確かめると、ゆっくりと口を開いた。
「葉子さん……たぶん、浮気してるよ」
「は?」
予想外の言葉に耳を疑った。
いや、全くの予想外というわけではなかったのかもしれない。
「どうしてそう思うんだ?」
凛子は黙っていた。
「証拠はあるのか?」
俺が尋ねると、凛子は力なく首を横に振った。
けれど、その後で俺を真っ直ぐに見た。
「証拠はないけどわかるよ。同じ女だもん」
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