二度目の夏

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二人が出会って二度目の夏が過ぎようとしていた。 二年という年月は驚くほどあっという間に過ぎていた。 私にとっては 出会いの日も、 金魚すくいの日も つい数日前のことに思える出来事だった。 そして、会う場所も、タイミングも、二人の間のタブーも変わらず続いていた。 今年の夏は猛暑らしく、連日うだるような暑さが続いていた。 九月になっても夏の勢いはまだ止まず、電気料金を気にする私も今年はエアコンの電源を終日つけっぱなしだった。 そんな週末の日曜、 夕方になると彼がいつも通り何の前触れもなくやって来た。
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