二度目の夏

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「ガクちゃん、どこ行ってきたの?」 玄関のドアを開けるなり私は反射的に言葉にした。 彼がいつもとは少し変わった出で立ちだったからだ。 けれど、彼の姿にだいたいの見当はついていた。 「結婚式」 案の定、予想通りの返事がくる。 「今日、大学時代からのダチの結婚式だったんだよ」 彼はそう言いながら、靴を脱いで引き出物入りの紙袋を私に差し出した。 「全部やるよ」 「え? 友達の結婚式だったんでしょ? いいの?」 「別にいいよ」 彼は袋の中身にたいした興味もなさそうに返事をすると、既に緩んでいたネクタイを無理やりほどいてベッドに寝転んだ。 「疲れた……」 昼間からのアルコールがこたえたのか、彼の身体はいつもより深くベッドに沈んでいく。 大の字になった手足がシングルサイズのベッドからはみ出しそうだった。
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