足りない酸素

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◆◆◆ 真夜中。 私はまどろんだ意識で枕の上で首を左右に振った。 耳に障る小さな物音に眠っていた意識がわずかに目覚める。 コンコン。 何度目なのか、遠慮がちな音をぼんやりと鼓膜の奥でとらえていた。 耳が反応すると、目がうっすらと開く。 数時間前にガクちゃんと繋がった身体はわずかに余韻を残していて少し重い。 何だろう……。 よくわからない。 私はベッドに手をつき、頭痛が起こらないようにゆっくりと身体を起した。 すると、その間にも、もう一度同じ音を聞いた。 コンコン。 ぼんやりとした脳が音の出処をつきとめた時、まるで夢の中のように耳元で声がした。 「カコ……?」
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