足りない酸素

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「今日は……早いねって言うべき? 遅いねって言うべき?」 私はおどけて言った。 「どっちも。こんな早い時間に悪いと思ったけど……カコ、寝よ……」 彼は靴を脱ぐと私の手を引いてベッドへ向かった。 「ガクちゃん、ズボン、皺になっちゃうよ」 彼がそのままベッドに入ろうとするので、私は思わず口を出した。 ガクちゃんはめんどくさそうに小さな息をついたが、私が子供を叱るように言い聞かせると、観念して着替えを済ませた。 「これでいいだろ? 早く寝ようぜ」 私が彼のズボンをハンガーに掛けようとすると、彼は私の手からハンガーとズボンを取り上げ、自分で適当に済ますと、形を整えもしないで定位置である壁際のフックにハンガーを掛けた。 そして、私の腕を引っ張り、一緒にベッドに倒れ込んだ。 彼は勢いでバウンドする私を背中からしっかりと抱きしめた。 彼の様子がいつもと違うことはすぐにわかった。 耳元をかすめる彼の浅い呼吸がそれを物語る。 私はそれをなだめるように、彼の腕をゆっくり、ゆっくり、何度もさすった。
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