足りない酸素

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午後の陽射しは穏やかだった。 真夏に肌を刺すように照りつけていた光は丸みを帯びて優しい。 昨日まで夏だと思っていたのに、たった一日で秋にさしかかったように感じてしまうのだから不思議なものだ。 少しだけ色のトーンを落とした空は近づく秋を予感させる。 私たちはどちらが言うでもなくそれを肌で感じ、 二人で空を見上げていた。 「いい天気だな」 彼がそう言うので、私が見つめる空はさらに青く晴れ渡った。 「うん、いい天気だね」 私はその一言に、目頭がほんのり熱くなった。
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