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ある土曜日のことだった。
「カコ、最近ちょっと痩せたんじゃねえ?」
ベッドの中でガクちゃんが寝起きである私の頬を撫でた。
もう陽は十分に高いのに私たちはまだベッドの中だった。
夕べガクちゃんやって来て、二週間ぶりに会った私たちはこの二週間にお互いに仕事上で変化があったことを知った。
もちろん、私は班長に抜擢されたこと。
ガクちゃんは父親の会社で訴訟問題が湧き上がり、それにかかわる調査に連日手を取られているらしい。
お互い疲れもあったのか、遅くまで眠っていた。
「え? そんなことないと思うけど……。最近残業多かったからかな……」
彼に言われて私も自分の頬を両手で撫でた。
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