二人の想い

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◆◆◆ 昼食を食べ終え、カコがキッチンで後片付けを始めた。 俺はその立ち姿を見つめながら彼女が出してくれたコーヒーをすすっていた。 コーヒーの苦手な彼女の家にはもともとコーヒーは置いていなかった。 けれど、俺がここに通い始めるようになると、いつの間にか彼女は切らさないように買い置きしてくれるようになっていた。 俺に気を遣っているのか、インスタントではなく一包装ずつのドリップコーヒーで、メーカーはわからなかったが、俺はこのコーヒーが気に入っていた。 俺は彼女を見ながら一度置いたカップにもう一度口をつけた。 買い物から帰ってからの彼女の様子が気になっていた。 カコと凛子との間で交わされた会話の詳細はわからないが、 二人が別れた直後は笑顔を見せていたはずなのに、 今はどこか元気がないように思えた。 「日曜も仕事なんて、やっぱ忙しいんだね」 ぼんやりとしていると、カコが食器をすすぎながら顔だけをこちらに向けたので目が合った。 そして、俺は目を逸らした。 「……まあな。ごめんな」
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