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今日、俺は夕飯は食べずに帰宅する予定だ。
……明日のことを考えると、
カコと食事をするのに気が引けたからだ。
いや、後ろめたいことなどないはずだ。
単に、時間的なものなのだ。
彼女が言ったように、明日の日曜は俺はここにはいない。
ただし、実際は仕事ではなく……
見合いだった。
凛子が言った通り、親父は長男の聡が正式に離婚してから俺の見合い話を具体的に進めていたのだ。
いいのか悪いのか親父の人脈は広い。
話はトントン拍子に進み、俺が自分の見合い話を聞いたのは、もう日程が決まった後だった。
本来なら見合いをする当人同士が互いの釣書を見て、この人とならと、合意をした後ということになる。
つまり、俺の知らないところで、俺がどこの誰だかと会ってみたいということになっているのだ。
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