それぞれの一日

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夕べ現実から目を逸らし、夢の世界に逃げ込んだ私は、 夢と現実の区別がつかなくなったのかと一瞬焦った。 「起きて大丈夫か? もう少し寝てろよ」 彼の落ち着いた声がはっきりと届くと、私は自分が現実の世界にいることを知った。 目をこすり、霞んだ視界で彼の姿をとらえた。 「ガクちゃん……なんでここにいるの?」 夢でないことはわかったが、彼がここにいる理由はわからなかった。 私は彼に尋ねながらベッドを抜けて彼のいるキッチンへ向かった。 「ガクちゃん……何してるの?」 彼から最初の質問の答えが返ってこないまま、私は彼の手元を覗き込みながらもう一つ尋ねた。 「朝めし」 ガクちゃんは鍋の中をかき混ぜながら二つ目の質問から返事をした。 鍋の中身はおかゆだった。 私は胸がいっぱいになった。
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