それぞれの一日

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「卵入れてやるからな」 ガクちゃんは冷蔵庫から卵を取り出すと不器用に卵を割り、適当にかき混ぜて鍋に回し入れた。  白いおかゆが薄黄色に染まる。 私はたまらずガクちゃんの背中から腕を回して抱きついた。 そして、その背中に自分の身体を埋め込むようにめいっぱい身体を密着させた。 「ガクちゃん……料理なんかしたことないくせに……」 「いいだろ? したって。体調は大丈夫か?」 「……うん、平気……」 「ならよかった。食えるか?」 「先に顔洗ってくる。昨日ホントにそのまま寝ちゃったから」 私は彼の背中から顔を離した。 いつも寝起きの顔はひどいのに、夕べはメイクも落とさず寝てしまった。 さぞかしひどい顔であろうに、さらにたった今、うっすらと涙まで滲んでしまったのだ。 もちろん、そんな顔は見られたくない。 私は彼に背を向けて慌てて洗面所へ向かった。
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