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その数時間後―――――
私は電車に乗り、夢と現実の狭間で揺れていた。
現実から夢の世界に逃げ込んだ私を夢から覚めた途端優しい現実が迎えてくれた。
けれど、とても現実とは思えないような出来事が起きて、
もう一度夢と現実のどちらでもないわずかな隙間にでも落ちてしまったかのようだった。
私は最初、彼の言葉を聞き流してしまった。
人は全く予想もしないことを言われると、脳がその処理に追いつけないらしい。
言葉の意味を理解するのにいつもの何倍もの時間がかかった。
むしろ、その理解が正しいのかさえわからなかった。
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