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しばらくして、ガクちゃんは空のグラスを手にしたまま静かな吐息をこぼした。
「二年か……。俺たちはその間、一体何をしてたんだろうな?」
「私は……幸せだったよ」
私は静かに微笑んだ。
それが私に出来る精一杯の笑顔だった。
「なあ、カコ。アパートへ帰ろうぜ」
彼は私の顔を見つめて言った。
私は彼の提案にためらった。
できることならここで何もかも終わりにしたい。
「ガクちゃん……ここで終わりにしない?」
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