金魚の涙

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―――――― ――――― ――― あの日、 私たちは それ以外にいったい何を話しただろうか。 私にはほとんど記憶がない。 ただ、私たちは 強く抱きしめ合い、 必死に一つになろうとした。 ただひたすらに 離れたくないと願って。 そして、あの夜から あっという間に三週間ほどが経っていた。 あの時は彼との終わりを決意していたが、 もちろん、私たちは終わってなどいなかった。
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