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 「それで、リョウくん。どうして急にそんなこと言い出したの?」  「や、さ。さっき国語の教科書にさ。『三枚のお札』ってのがあってさ。それに出てきたんだよ、鬼婆が。でさ。あれ? 山姥と鬼婆って違うのか? ってなってさ」  リョウの言葉にミホリとハヅキがなるほどと頷く。  しかし、シゲルは一人、首をひねった。  (………『三枚のお札』って、僕、前の学校でやったよな。あれって二年生用の教科書に載ってるんじゃ?)  視線をリョウが指し示す教科書に移すと、表紙には大きく『2』の数字。  「まぁ、ラヴくんがわざわざ二年生の教科書引っ張り出すほど算数の時間がつまらなかったってのは置いといてー」  ハヅキが呆れ半分に指摘しつつ、  「確かに、山姥って実際どんなのかって聞かれたら答えづらいね」  そう、リョウの話に乗っかった。  「………僕、知り合いにそういうの詳しい人がいるから聞いてこようか?」  シゲルの言葉に、ハヅキがチラリとシゲルの肩に目をやる。  「あ、あたしも詳しい人がいるから聞いてくるよ。今なら話できるし」  そしてハヅキもそう言った。  「マジか。オレも少し調べてくるわ。ミホリも調べてきてよ」  そう言われて、ミホリも困ったように頷いた。  (………相変わらず、いきなりだなぁ)  そう、内心でため息を吐きながら。
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