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 山岳信仰という言葉がある。  人間は大自然に翻弄されながら生きてきた。  人間にとって自然現象は神の動きそのものであり、その、人間には制御できない圧倒的な力に怯えながら生きていた。  その根元的な怯えは、古代の人間に『大きなもの』に対する畏敬の念を生じさせた。  それから。  人は巨岩を祀る大岩信仰や山を祀る山岳信仰を発展させてきたのだ。  特に山は、その大きさと、そして人に与える恵み、災害などの面から信仰されるに容易く、山神などのように、山自体に神格が与えられ、人格が付与されることもあった。  山は多様な実りを与えてくれる存在。  そういった点から、山神はいつからか女神とされるようになっていった。
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