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「とまあ、こんな話があるんだけど、日本中に伝わる山姥伝説って結構多産なのが多いんだって。そういった観点からも、山姥っていうのは山神がさらに人格をもった姿と考えられるんだよ」
「………」
「………」
「………」
「およ? どしたー、みんな?」
ハヅキが話し終えると、ポカンとした三人の顔が目に入った。
「えーと?」
「???」
「………はーちゃんってさ、やっぱり、ほんとはもっと上の学年なんじゃないの?」
「なぜだぁ!? 私はぴちぴちのかわい子ちゃんなのにっ!」
「いやもう、その反応がさぁ」
シゲルの言葉にハヅキが目を剥く。
「えと、すっごく難しかったけど、つまり、山姥は神様………ってこと?」
「妖怪じゃなかったのかよ!?」
「いやだから、妖怪と神様はほぼ同一の存在というか」
「「???」」
小学生らしからぬ、民俗学や宗教学の一端に足を踏み入れそうなハヅキの説明に、再度首を捻るミホリとリョウ。
「っだあぁぁぁ! あの人が悪いんだっ! 変に理屈くさい人と一緒にいるとこうなっちゃうんだよっ!」
それこそが普通の小学生の反応だということをまざまざと見せつけられたハヅキが頭を抱えた。
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