落ち

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気づいたら僕は、学校の屋上に立っていた。 僕には夢もない。 希望もない。 そして…その先を歩む道すら、他人の勝手な評価というもので閉ざされてしまったのだ。 就職難。 もう何度面接に行き、何度仮初めの言葉と表情を見せ、朽ちていったのか。 大学4年の冬。 同期は次の春に備えている中、僕はこの冬を越せそうにない。 何故ならこの冬が、僕の命日になるからだ。
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