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「……なんかすまない。悪気は無かったんだ」
「今から死ぬのに、悪気もへったくれも無いでしょうね」
ごもっとも。
もう二度と会わない人間に嫌がらせを言うほど、僕も腐っちゃいない。
いや……腐ってるけど。人間としてな。
「さっどうぞ、舞台があなたを呼んでるわ」
舞台、そこは高さ15メートルの奈落への舞台。
公演はたった一回と言ったところか。
「あぁそうだな…僕は主演だからな」
「主演じゃなくて死人。サスペンスだと始まって20秒ほどで死んでしまう存在よ」
言葉が尖ってやがる。
容赦は無いのかこの女は。
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