爆発

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中庭にある地下貯蔵庫への扉は鍵がかけられていなかったため、僕はすぐに中へ入り、階段を駆け下りて疾走した。 イートインの真下にあたるところに、開けた貯蔵庫がある。 貯蔵庫の中央には天井へ続くハシゴが一つかかっており、その先の跳ね戸に鍵を差し込むと、僕は扉を押し上げた。 「どうするんだよ!出口なんてないじゃんかよ!」 岡田がパニックを起こして叫んでいるのが聞こえた。 松本は窓の格子を掴み、ガタガタと言わせていた。 賢人は顔を引きつらせ、「今戻ったらもっと危険だ」と、さすがに慌てた声を出していた。 「大丈夫だよ!ここから外に逃げられる!」 床から顔を出した僕が叫ぶと、4人が一斉に振り返り、すぐに駆け寄ってきた。 扉の向こうでは炎が空気を吸い込んでいるような、激しい音が続いている。 「助かった!」 島村は半泣きだ。 「早く入れろよ!」 松本は怒っている。 押し合いへし合い、なんとか賢人とトリオが地下貯蔵庫へ降りてくると、僕は先頭を走り、中庭へと4人を連れて出て行った。
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