第1話・呪われる腕輪

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「なあ、風間。腕輪の文字、読めるか?」と言って、俺に密着して外した事のない腕輪に刻まれた「Sudden」の文字を見せる。 「え?どこに書いてあるんだ?」ボケか? 「ここだよ、ここ!」と言って指差した。が 「……何も、書いて無いけど……」目が悪いのかよ。 「S、u、d、d、e、nって刻まれているだろっ」 業を煮やして、英文字を一字ずつ読んでやる。 「S、u、d、d、e、n……Sudden、かな?」 風間は見た目が宜しいだけでなく、頭も宜しい。成績は常に上位に食い込む程で、俺が逆立ちしても敵わないくらいの頭脳明晰さがある。 「シュドゥンは何となく読める。たしかリズムゲームにそんなオプションがあった」バカな俺なりに、人並みにゲームは嗜む。上手い部類ではないが、年月の長さがある。 「Suddenは英語で、突然とか、不意に、って意味があったはずだけどなぁ……うろ覚えだけど……」
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