2人が本棚に入れています
本棚に追加
「今や皆星市の9割が他の市からの移住者だぞ。10人に9人は外れるクジなんぞ引きたくない」
限界集落の汚名は返上したが、こう言う事になると地域性が失われていくのでは無いか?
俺の呪いも伝承者どころか、語り部を探すのが困難になっているだろう。危機は脱したとしても都会化の魔の手は確実に地域を脅かしている。
……と考えていると、遠目に見える人がいた。
「やばっ!」と思って、風間の影に隠れる。
「どうした、ハル?」
風間は目が悪いな。本格的に。悪い事は言わん。似合うから眼鏡をかけた方がモテ度はもっと上がるぞ。
俺は「みゆちゃん……」と呟き、前方を指差す。
「あー、そっかー。ハルの好きな娘だったよね」
声がデカいぞ。聞こえるだろーが。みゆちゃんに。
「そうそう、覚えてる?あの日、語り合った事」
風間が昔を思い出して懐かしむように言った。
「俺も気持ちは変わってないよ。今もね」
風間の言葉に、過去の記憶が鮮明に蘇るーーーー
最初のコメントを投稿しよう!