プロローグ

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「女子になってみてぇな……」と呟く。 ぃゃぃゃ、決してエロい事をするワケではない。 俺には気になる女子がクラスに一人いるからだ。 ほぼエスカレーター式で、大体の同級生はそのまま中等部から高等部へ上がる。俺の気になる女子・みゆちゃんも春に高等部へと進学する事を知っていた。 風間やケンの影に隠れて目立たない男子である俺は、卒業式に制服の第二ボタンは残されており告白する勇気などしり込みしてしまい無かった。 女子になって、彼女の知り合いから探りを入れて周りを埋めてから、そのまま本命のハートを射る。 将を射んとすれば、先ず馬を射よってヤツだ。 「なぁハル、知ってるか?旧皆星村の伝承を……」 ケンは皆星村に古くから住んでいる一人。皆星市の伝承の類いを一つは知っていてもなんら不思議も疑問も感じなかった。 「うんにゃ知らね。俺は光絵市の人間だ。ど田舎な皆星市とは全く縁も所縁もないな」とは言え、東京都心と山間部くらいの差が光絵市と皆星市にはあると言っていい。
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