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ベイスター☆イヲンから行きの時にも使った、お高級なお車に乗って風間の大豪邸へ。
外はすっかり夜の闇に覆われている。本日は土曜日だ。良い週末を過ごそうとする車の列は、目映(まばゆ)いばかりのライトを付けて星のように流れている。
すっかり気にならないくらいに馴染んでいた、本日の服装ともお別れする。代わりに用意されていたのが、俺にとって久しぶりのような気もするいつもの服装。丁寧にクリーニングがかけられ、真新しい状態になっていた。
「こんな遅くまで付き合わせてしまって悪かったナ」
「俺も楽しくて、別れるのが惜しいくらいだよ。って月曜日には直ぐに会えるんだけどな」
「……そう言えば、今日の『デート』断っても良かったんだよ?」
「ぇ、俺の頼みを聞いてくれる交換条件じゃ無かったのか?」
「デートは俺のワガママだし、断られる覚悟で提案しただけで『無理に』付き合ってもらう必要は無かったよ」
普段の人となりを考えると、土下座までして断る人なんて考えられないくらいの人柄の良さが、風間にはある。
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