2人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな会話の後に、番組が適度に面白くなってきたのでゆずに構わずに観ていた。次のCMに入った時に再び、ゆずの方に目をやる。
めくり……めくり……めくり……めくり……めくり……
擬音だけじゃあ解り難いと思うが、本当にそんな感じだと言える。頁を捲(めく)る手が止まらないように……それこそちゃんと読んでいるか分からないぐらいのペースで頁を捲っている。
「それ、読んでんのか?」
「ちょっ、良いとこなんだから邪魔しないでっ!」
「ぃゃぃゃ、読んでないだろ、それ」
「お兄ちゃんこそバカなのォ?!ちゃんと読んでいるって言っているでしょッ?!」
「それは読んでいるとは、百人に聞いても百人が『読んで無い』って口を揃えて言うと思うぞ?」
「……速読って知ってる?」
「黙読なら知ってる」
「ちがうちがう、速読。ソ、ク、ド、ク」
「んー、アレか?なんか凄い早さで本を読むアレか?」
「概(おおむ)ねその通り。わたしもソレ出来るから」
マジで?
最初のコメントを投稿しよう!