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四月になり、肌寒い日もめっきり少なくなり時折半袖で過ごせるような日も増えてきた。
とても間近に見える山に、ピンクの一角があり春らしい暖色を散りばめた桜が所々に見受けられる。
授業が終わり、俺は友人の風間に呼ばれてのどかな田舎道を歩いて家に向かっていた。
「おい、ハル。またお前女になってんぞ?」
そう言うのは俺が最も親しくしている友人の風間である。男の俺でも、妬ましく思う程の爽やかなルックスと清々しいまでの顔立ちをした、自他共に認める好青年だと言える。
「え~、またー(>_<)」と俺は言う。女の声で。
「ハルは俺に会うたび女になるんだな(笑」
もし俺が本当の女だったら惚れているかもしれないが残念ながら知っての通り、男だ。
「呪いだよ。この腕輪の効果は……(+_+)」
ケンに腕輪を譲り受けた次の日から<呪い>は猛威を奮って俺を困らせた。
時間と場所を問わず、それこそ突然と言っていいくらい、俺の体は急に女になる。
あの……これ、言っていいか判らんけど「痛い」んですよね、摩(す)れて。
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