君がくれた世界

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「カズト……。綺麗だな」  吐息混じりに呟いた村瀬さんは俺の左手を離すと右手で脇腹をすうっと撫でた。そのくすぐったさに思わず、ハアッと声をあげた。 「あの時も本当にお前が綺麗だと思ったんじゃ」  ああ、あの旅館の風呂場で、初めて村瀬さんに生まれたままの姿を見られたとき。 「あのままその場で押し倒してやろうかと思うたんで。我慢するのに苦労したよ」  村瀬さんの右手が下腹から足の付け根に滑り降りて、やがて股間の茂みを撫で始めた。その中心で大きくなった自分自身がふるんと揺れた。 「どこもかしこも白うて柔こうて、すべすべしとって……。ほんまにお前は堪らんわ」 「あっ! ……ぁ、んあっ」 「なのに、……ここは硬くなっとる」  茂みの中心にある硬くなった花茎を温かな手のひらで優しく握り込まれた。そして、慈しむようにゆっくりと上下に動かされる。 「……んっ、ふっ、くっ……あっ……」 「カズト、声は我慢せんでええ。お前の可愛い声を聞きたい」  言われるのと同時に村瀬さんの手の動きが少しずつ早くなった。 「ああっ! あっ、はあっ! ……あっ、あっ、うあっ……!」  村瀬さんがこんなことをしてくれている。自分でも滅多にしたこと無いのに。そう思っただけで一気に頂点に押し上げられた。 「はっ! あっ、ダ、メッ、もう、……出ちゃうっ!」 「いいよ、カズト。我慢するな」  でも、村瀬さんの手を汚しちゃう……。 「カズト、余計な事は何も考えるな、俺だけを見て感じとれ」  きゅっときつく締められる。先端から溢れ出た先走りで滑りが良くなった手でさらに大きく擦られると、近づいてくる頂点の予感に思わず彼に懇願した。 「はあっ、村瀬さん……! おねが、い、キス、して……」  村瀬さんの唇がきつく押し当てられる。それを自分から大きく口を開いて舌を絡めた。夢中で興奮した様子の俺に彼も合わせてくれると破裂しそうな硬い芯がぶるんと震えた。  ああっ、もうなにも考えられな…………ッ。 「あっ! ああっ、んっ……、ああぁっ!!」
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