君がくれた世界

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「でも、お前は未成年じゃし……。それにこんなことをするのも初めてじゃろ?」  まだ、そんなことを言っちゃって。それなら裸になんか剥かなきゃいいのに。  俺は素早く手を伸ばして、お腹にあたる村瀬さんの昂ぶりをズボンの上からぎゅっと掴んだ。うっ、と小さく喘いだ村瀬さんが驚いたように俺を見る。  ほら、もう爆発しそうになっている。俺のよりもすごく大きくて熱くて硬いものが。 「だからさ、無駄な我慢はしないほうがいいと思うんだけれど」  ちょっとおどけて甘い言葉を囁いた俺に村瀬さんの視線が一気に変わるのが解った。  なんだか獲物を狙っている猛獣みたいだ。そして、その獲物はもちろん俺……。  案の定、低く俺の名前を呟いた村瀬さんは激しく唇を重ねてきた。そして酸素を取り込めなくて粗い呼吸を繰り返す俺から唇を離した後、 「お前の言う通りじゃな。危うく、こんな旨そうなものをお預けにするところじゃったわ」  その瞳に射ぬかれて、俺はこれから彼に与えられるであろう甘美な予感に震えた。 「……ぁ……、ぅ、……っ、んぅ……」  小さな喘ぎを抱きしめた枕に押しつける。息を吸い込むと枕から村瀬さんの匂いが強く香って、余計に頭の中が痺れてきた。  もう、どれくらいそこを触られているんだろう。冷たい潤滑液を後ろに隠れた蕾に塗りつけられて、体温と同じ温度になった頃にはゆっくりと彼の指先が体の中に入り込んでいた。  押しつけた声が彼の耳に届く度に脇腹を撫でられて、肩甲骨から腰まで舐められて、お尻にキスを落とされた。それがさらに俺の声を大きくしているのに。 「あっ、………ん」  時々、体の中の村瀬さんの指がある部分を触ると、ピリッとそこから電流が走る。その電流は花茎の付け根から先まで届いて、透明な雫を溢れさせながら甘く疼いた。  最初は偶然だったのに今は俺の反応を確かめるように彼の指はそこを執拗に攻めていた。 「自分の気持ちいいところが判るか?」  問いかけた村瀬さんの吐息が背中を這う。それすらもぞくぞくと感じて俺は枕にぎゅっと顔を押しつけたまま頷いた。 「ふぁ……、ぁ……」
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