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「なあ、カコ」
「なあに、ガクちゃん」
「もうすぐクリスマスだろ?」
「……うん、そうだね」
「カコ、何か欲しいものないの?」
「うーん……。特に……ないよ」
「別に遠慮しなくていいよ。何かあるだろ? バッグとかネックレスとか」
「バッグか……」
私は天井を見上げて考え込んだ。
そして、しばらくして、おどけるように答えを出した。
「……実は欲しいもの、たくさんありすぎて決められないの」
「何だ、そういうことか」
ガクちゃんは笑った。
「だけど、早く決めないともう日がないぞ。俺だってスーパーマンじゃないんだからそんなにすぐに用意できないし」
今度は私が笑う。
「ガクちゃんは……スーパーマンだけどね」
微笑む私の頬をガクちゃんがふざけてつまんだ。
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