1668人が本棚に入れています
本棚に追加
午後になり、
仕事を切り上げたガクちゃんが私をアパートまで迎えに来た。
「悪い、遅くなった」
「いいよ。お疲れさま。少し休んでいく?」
「いや、すぐ出よう。今日は向こうでゆっくりしたい」
「うん。コート着てくる」
ガクちゃんが珍しいことを言うなと思いながら、私はコートを取りに奥に戻り、荷物を持って慌ただしくアパートを出た。
そして、まずはスーパーに立ち寄った。
ああだ、こうだと言ってのんびりと買い物カートを押して進む。
やっぱり、こういう何気ない時間がとてもうれしい。
レジカウンターに向かった時にはカゴの中は溢れんばかりに商品が詰まっていた。
ガクちゃんの支払いで会計を済ませ、次に向かったのは洋菓子店。
カウンターでは予約のケーキの受け取りに列ができている。
私たちはその列を避けてショーケースに残るケーキを覗き込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!