【クリスマスなんていらない】

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それぞれに好きなケーキを二ピース買おうと話して選んだのが、 ショートケーキ、二つ。 私はもともとショートケーキが好きなのだが、ガクちゃんが 「カコと同じの」 というので、結局同じものになってしまった。 それでも、そのことがうれしい。 「次はどこ?」 洋菓子店を出て車の助手席に乗り込み、シートベルトを締めながら聞いた。 「家」 私には少し予想外だった。 勝手にツリーも一緒に買いに行くものだと思っていたからだ。 それが顔に出てしまったのか、ガクちゃんが説明するように付け足した。 「実はシャンパンもワインももう買ってあるんだ」 「……そっか。ありがとう」 「ん、じゃあ行くか」 ガクちゃんは笑顔を見せると車を発車させた。
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