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「カコ、ありがとな」
ガクちゃんはネクタイを箱に戻して改めて言った。
「ううん」と、小さく首を振る。
「俺からのプレゼントは……もう少し後で」
ガクちゃんは意味深な言葉を放ちながらも、すぐに話題を変えた。
「菜々美ちゃんには何を?」
私は幼い頃に二人で読んだ絵本の中のウサギのぬいぐるみであることを説明した。
「昨日、送ったからちょっと間に合わないかもしれないけど」
「だとしてもきっと喜ぶな、菜々美ちゃん」
「だといいけど。私自身、ぬいぐるみ触ったのなんて本当に初めてくらい。子供のころにぬいぐるみなんて家になかったし。私も自分の分、買えばよかったかなぁ」
「また今度見つけたら買ってやるよ」
「ありがと」
二人の夜はゆっくりと静かに……
穏やかに更けていく……。
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