【クリスマスなんていらない】

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呆然としていたが、途中でツリーの飾りがいくつか落ちたので、私は床に転がるオーナメントを拾い集めてガクちゃんの後を追った。 ガクちゃんはツリーを斜めにして寝室に入った。 「ガクちゃん」 「ずっと見てたいんだろ?」 ガクちゃんはツリーを立て、「二回目の点灯は俺な」と、ツリーの電飾のスイッチを入れた。 再び明かりの灯ったツリーを前に、私は二度目の感動を味わいながら落ちたオーナメントを飾り付けた。 「ありがと……」 ガクちゃんに顔を向けたとき、私はふと、ある違和感に気づいた。 「ガクちゃん……」 ガクちゃんが私の視線に気づいて自分もその後ろを振り返る。 「気づいた?」
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