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ガクちゃんが身体を起こし、ベッドの脇に添えられたサイドテーブルの引き出しから小さな箱を取り出した。
「これが俺からのクリスマスプレゼント」
彼は手の中の小さな箱を私に見せた。
ガクちゃんが次にどんな夢を見せてくれるのか、私はその箱から目が離せない。
彼は私の視線を確かめ、満足すると、ゆっくりと箱の蓋を開けた。
薄闇の中に輝く石がまるで星のようだった。
「カコ、手、貸して」
「えっと……」
「こういう時は左手なんだっけ?」
ガクちゃんに促され、私はおずおずと左手を差し出す。
力のない私の手をガクちゃんがしっかりとつかまえ、そして、彼はもう一方の手で指輪を手にした。
そして、彼は指輪をゆっくりと私の薬指に滑らせた。
「これで……カコは……俺のもの」
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