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金魚のあぶくがない部屋は
二人の息遣いが聞こえるだけ。
キスをすれば二人の唇が重なる音さえ聞こえてくる。
今年は暖冬で
雪も降らないけれど
私の周りには
何かがゆっくりと降り積もっているようだった。
ガクちゃんの肌から伝わる体温は
私に安心と幸福を与える。
二人の体温が溶け合う間際、
私は彼の頬を両手で包んでこう言った。
「メリー……クリスマス……」
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