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翌朝、
時間通りにガクちゃんを起こす。
早起きは苦手だが、ガクちゃんの寝顔を見るのが好きなので、彼より先に起きると得をした気分になるのだ。
端正な顔立ちは女性から見れば誰でもイケメンに分類するだろう。
自分の彼氏であることがまだ信じられない時が時折あるほどだ。
どこからどう見てもモテそうな彼に、実のところ心配は絶えないが、私もそれは口にはしない。
ガクちゃんに鬱陶しく思われるのは嫌だったし、
私がヤキモチを妬くことなどおこがましいとさえ思ったのだ。
「カコー。シャツのアイロン、ありがとな」
朝食の準備をする私の背中にガクちゃんが言う。
彼の些細な一言が私を一瞬にして笑顔にする。
「もうすぐできるから」
私はにやける顔を隠すように振り返った顔を戻した。
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