【クリスマスなんていらない】

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メイクを終えたところで家事にかかる。 アパートには狭いけれどベランダが付いている。 寒空の下で洗濯物を干すのは手が凍えるが、今日は時間が遅いせいか苦にならない。 ガクちゃんのシャツをハンガーに掛けながら、頭上の空を見上げた。 薄い雲の向こうには水色の空が広がっている。 日差しもあって今日は気温が高いだろう。 もうすぐクリスマスだというのに、それらしくない天気に複雑な思いでもう一度空を見上げ、ガクちゃんのシャツの隣に自分のパーカーを干した。 そして、洗濯物を干し終えると、去年の今頃よりも少し薄着の装いでアパートを出た。
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