イブの夜を過ぎても甘く : 空港で

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小休止のまどろみから覚め、軽く吹雪いてきた外の景色を見ようと何も纏わず窓の側に寄る。 窓ガラスに小さな氷の粒が叩きつけられ、高層階の向こうは霞み、空港の灯りも儚げに見える。 後ろから温かく抱き寄せられて手は胸を辿り、うなじに口づけられる。その甘やかさに耐えきれず、かくんと膝を折ったら、硬く滾ったものが後ろに当たり、肌の隙間を擦った。自分から腰を揺らめかせて誘う。 ガラスは二重になっていて、飛行機の窓とおんなじで手に冷たさは感じられない。 ぐっと質量を増した性 器が中を押し拡げるように埋め込まれ、息をゆっくり吐き出しながらも呻く。手は窓ガラスを滑り、ますます腰を後ろに突きだす格好になってしまう。熱い息が窓を曇らせる。 ずるりと抜かれ、何度も満たされ、激しく追い立てられた。ぐずぐずに蕩けた奥までねじ込むくせに、口づけはなだめるように優しい。膝が痙攣してがくがくと震え、立っていられない。 「おいで」と後ろから引き寄せられ、ベッドの縁でガブリエルの腰に跨る姿勢にされる。自分の体重で否応無しに深く貫かれ、また甘い嬌声が漏れる。 あえて両足を押し開くように腕を使い体の中心に指を絡め上下に扱かれると、快感が大きな塊みたいになって押し寄せた。 「ふぁっ…んっ…!なに、このカッコ…やっ…」 「外の方が明るいから、ガラスに映らないね。残念」 「…ばかだっ……」 カーテンが開けっ放しの窓に向かって、股関節が軋むほど脚を開いている。窓からは空しか見えないものの、外の明るさと淫靡な行為のギャップが羞恥を煽る。 尖端からは絶えず蜜を滴らせ、唇の端からも唾液が溢れる。どれだけ恥ずかしい格好をさせられてもガブリエルを止める気にはなれず、むしろ、もっと、もっとと求めてしまう。 「飛行機からこうしてるの見えるかな」 窓の向こうには普段見るよりずっと大きいサイズで飛行機が通り過ぎるのが時折見える。 「見えない…よ…」 「ふふっ。こんな凛、他の誰にも見せたくない。凛はボクだけのものだよ」 滑りを音を立てて広げる手は止まることなく、片手の指で胸の突起を弾かれながら、耳の後ろあたりをきつく吸われる。髪で隠れるギリギリのところに跡をつけて、後で自分だけが見つけて楽しむつもりなのはお見通しだ。 可愛い独占欲が透けて見えて、ひどい刺激に乱され続ける中、心が和んだ。
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