1.最悪な日

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「……だったら、いらない」そう言って、立ち上がった。 「っへぇー?これをいらないと?」 人のスマホをひらひらとさせたかと思えば「これ、パスワードってお前の誕生日?」そう言って、画面に触れようとした。 (やばいっ!!) 「だぁ!!!」 絶対見られたくない!! 取り上げようとスマホをつかもうとしたけど、ひょいっとかわされ足が滑った。 「っと……」さり気なく腰に回る手。その手がイヤらしく下に伸びる。 「おい、何してんだ今すぐ退け、その手を離せ」 「えーそんな言い方酷くない?ここに滑っておさまったお前が悪いだろ」 「っだっ!だからって、どこ触ってんだ!変態。セクハラで訴えるぞ!」 「ん?ってかお前、このロック画面ックックック。痛すぎ。今時こんなのロック画面にしてるのばれたらハブられるだろ。お前、友達少なそうだもんな」 身体をプルプルふるわせながら、ロック画面を見せてくる。 (こいつ!いつの間にっ!) 「う、五月蝿いっ!返せこのっ!!!」 好きなアニメの推しキャラをロック画面にしていて何が悪い! 誰のスマホでもない自分のだ。何にしていようが、自由だ。 怒りを込めて手を伸ばすも、スラリと長い指が顔を覆うように押さえ込まれた。
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