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「……だったら、いらない」そう言って、立ち上がった。
「っへぇー?これをいらないと?」
人のスマホをひらひらとさせたかと思えば「これ、パスワードってお前の誕生日?」そう言って、画面に触れようとした。
(やばいっ!!)
「だぁ!!!」
絶対見られたくない!!
取り上げようとスマホをつかもうとしたけど、ひょいっとかわされ足が滑った。
「っと……」さり気なく腰に回る手。その手がイヤらしく下に伸びる。
「おい、何してんだ今すぐ退け、その手を離せ」
「えーそんな言い方酷くない?ここに滑っておさまったお前が悪いだろ」
「っだっ!だからって、どこ触ってんだ!変態。セクハラで訴えるぞ!」
「ん?ってかお前、このロック画面ックックック。痛すぎ。今時こんなのロック画面にしてるのばれたらハブられるだろ。お前、友達少なそうだもんな」
身体をプルプルふるわせながら、ロック画面を見せてくる。
(こいつ!いつの間にっ!)
「う、五月蝿いっ!返せこのっ!!!」
好きなアニメの推しキャラをロック画面にしていて何が悪い!
誰のスマホでもない自分のだ。何にしていようが、自由だ。
怒りを込めて手を伸ばすも、スラリと長い指が顔を覆うように押さえ込まれた。
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