1.最悪な日

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鮮明に甦ってしまった記憶。 「いぃぃやぁぁぁぁぁぁ!!!」 悲鳴と共に、ベッドから盛大に落ちた。 あり得ない。 ぜっっったいに、あり得ない!! 下半身の前後を確認するかのように、わなわな触る。 気だるいのは、酒の飲みすぎか、はたまた……。 「うっせぇな。休みの日くらい、穏やかに過ごさせろってのぉ……」 ベッドの上から低い声が聞こえて、ピタリと手の動きが止まった。 あぁ……えっと、一体全体何がどうなって、こんな状況に???? 休みの日くらいって、なんだ?え?今日は? 日曜日???? 「あ、あ、あんた……き、き、き……昨日」 四つん這いになりながら、ゆっくりとベッドに近づいて覗き込めば、ベッドの上の人物は、また寝息を立てている。 こんな状況で寝れる?? フツー(・・・)じゃない。 体をそっと反転させ、取り敢えず脱ぎ散らかってる自分の服を拾い上げ、ソッコーで着替えた。 センターテーブルに置かれていた眼鏡を引ったくり、荷物をまとめてそっと部屋を出ようと、踵を返した。
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